商品企画と商品企画七つ道具(P7)
上手な商品企画の進め方
1.感動商品を目指せ
どの会社にとっても、また、日本の産業全体にとっても、私達が目指すべき
は「安いから売れる」商品ではなく、「高いのに売れる」商品です。「高く売れ
る」とは「高い価値がある」からです。それは、顧客が引きつけられ感動する
内容があることを意味します。高価値(高付加価値)の感動商品、これこそが
目標です。他のどの商品よりも強く顧客に訴える「独自なもの」がないと、顧客
は感動しません。独自性は独創的なアイデアやセンスから出る「創造性」か、
徹底的に探して掘り当てた「潜在ニーズ」からやって来ると考えられます。
そこで商品企画七つ道具(P7)では、この2要素を十分に商品に取り込み、
最高の感動商品を創ることを目指します。
2.システマティックに
誰が担当しても、このようにやればある程度きちんと売れる商品が企画できる、
そのような「システム」として社内で標準化できる方法でないと、永続的には活
用できません。有能なベテラン企画マンがいなくとも、次々にヒット商品を創る
のは大変なことでも、無理なことでもないのです。それを普通にやってしまうため
の「システム」を作っていないからできないだけなのです。
「商品企画」はややもすると、個人のひらめきや独創性に頼る傾向があって、
そのために初心者や理系の技術者には入り込めない領域のように思われてきました
が、P7の登場でシステマティックな方法論が確立され、どんな方でも入れるよう
になりました。
3.定性的手法+定量的手法のバランス
手法の道筋を考えるとき、定性的な手法(数字でなく感覚や言葉で直感的に捉
える手法)と定量的な手法(数値化したデータを基に分析的に捉える手法)の2
つがあります。この双方をバランス良く使えないといけません。どちらかに偏って
も「なるほど」という感動商品にはなりにくいのです。商品企画はひらめきやセン
ス(右脳的=定性的手法)の要素がある分、なじみにくいと思われがちですが、
一定の手法、技術として吸収すればさほど困難なことではないのです。それがシス
テマティックな体系を作った意義です。逆に、分析的手法(左脳的=手量的手法)
も標準化してPCソフトウェアで実施すればさほど困難なものではありません。
4.顧客の意見を最初から最後まで活用
最初に顧客の意見を聞いて取り入れるのは従来から当たり前ですが、途中でも、
最後でも聞いてほしいのです。特に最後の方のポジショニング分析とコンジョイント
分析は決定的に重要で、ここで顧客の意思が明確に反映されて、「ヒット商品」となる
コンセプトが形成されます。商品企画は徹頭徹尾、顧客とコラボレーション(共創)
するくらいの意識が大切です。